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    Gather(ギャザー導入事例):スカパーJSAT株式会社さま

    みなさん、こんにちは!Gatherマガジンの杉山です。

    いつでも、誰とでも、気軽に、楽しくコミュニケーションを行うことができるツールとして2DメタバースGatherを多くの方にオフィスやイベント会場として日々活用いただいております。

    その中でもメジャーな利用方法として、既存のサービスの利用者の方の交流の場として、様々なコンテンツとともに楽しんでいただきたい。

    といった声の元、メタバースイベントとしての取組が徐々に増えてきております。

    今回は、そのようなメタバースイベントとして、スカパーJSAT株式会社の取組である、LIVE観戦メタバースコミュニティ「カープ県」についてご紹介をいたします。

    目次

    カープ県とは

    「カープ県」とはスカパーJSAT株式会社が提供する、広島東洋カープ一軍主催試合をゲームセットまで完全生配信で楽しめる他、2Dメタバースツール「Gather」によって製作されたスタジアムやキャンプエリア内で、ゲストや仲間同士のテキストチャットやビデオ通話をを楽しむことができ、直接質問や会話が可能な空間です。

    特設ページはこちらから確認できます。

    カープ県のデザインについて

    この度、カープ県の制作に携わったのは、チェコのメタバースデザイン、制作を主な事業とするspacemaers社です。

    同社は2021年4月に創業し、同年の4月~6月にかけてRedBull社、Philips社等のグローバルカンパニーのイベントを実施し2021年の9月には日本のクライアント向けにもサービスを提供し始めました。

    同社は現在までに100件以上のオリジナルなメタバース空間を手がけ、80社以上のクライアントたちとともに、累計20,000人以上にGather上で、主催者と参加者が同時に相互に交流することができる全く新しい、エキサイティングな体験を提供してきました。

    同社の手掛けるデザインは、どれも遊び心溢れるデザインで、ワクワクするような空間の中で、来容者同士がコミュニケーションをとったり、オリジナルで制作したレクリエーション機能を通して、親交を深めることが可能です。

    詳細は是非、こちらからご確認ください。

    インタビュー

    今回、カープ県の取り組みについてインタビューさせていただきたいと思っております。Gatherの日本語版は今年5月から納入されており、多くの企業や団体から反響をいただいています。ただ、日本国内での具体的な事例がまだ多くない状況です。

    多くの方から具体的な情報や事例に関する興味を示されていますが、それらを見つけるのが難しい状況ですので、弊社として今回の取り組みを通じて、カープ県の認知を広げつつ、メタバースやGatherの利用者が増えて、より活発なコミュニケーションが生まれることを期待しています。

    今回の取り組みに関して、具体的にカープ県の概要や開発におけるこだわり、苦労した点など、また実際の開催時の利用者の声やゲストの感想などを伺いたく、お話を伺う機会を設けました。どうぞよろしくお願いいたします。」

    我々は基本的にスカパーとして、プロ野球をはじめとするスポーツコンテンツをテレビや配信を通じて提供してきましたが、常にお客様との双方向のコミュニケーションを取りながら楽しんでいただく新しい方法を模索していました。

    YouTubeなどでのチャットを通じたやり取りは既に多くのサービスで行われていますが、Gatherのようにフェイス・トゥ・フェイスでの会話やチャットが可能なサービスにコンテンツを載せて提供する方法を試したいと考えました。この思いが今回の取り組みのきっかけとなりました。

    元々一方向の提供であった内容を双方向のコミュニケーションとして進化させる試みに、Gatherを活用いただきありがとうございます。
    今回完成したカープ県は、広大なスペースを持ち、球場の他にもベースボールキャンプのような探検可能なエリアを設けておりますが、カープ県を作る際のデザインや機能において特にこだわった点や重視したポイントは何でしょうか。

    私たちは当初、試合を観戦することをメインとしたサービスとしてスタジアムだけを設ける考えでしたが、将来的な展望を考慮し、スケールを広島県全体に広げることにしました。

    この将来的な展望とは、スタジアムだけでなく、広島県内のさまざまな名物や名産、例えば尾道の特色や二軍の球場など、県民にとっては日常的なものを、県外からの訪問者にも体験してもらいたいという思いです。

    現段階では具体的なスポットはまだ設定していませんが、先に広島エリアとしての大枠を定めることで、後からの展開がスムーズに進められると考えました。加えて、将来的には広島県の自治体とのコラボレーションも視野に入れ、例えば広島県の市との共同プロジェクトなどで、この空間を共有し、実際の広島県で行われるような体験を提供したいと思っています。このような多角的な可能性を保持しながらの設計が、私たちのこだわりの一つです。

    試合を楽しむだけでなく、県外からの訪問者との交流を深める中で、広島県のPRや特産品などを紹介し、より広い意味での交流の機会を設けたいというのが、その目的ですね。

    広島カープは、ただ野球を見せるだけの球団ではなく、広島の県民に深く支えられているという強い意識を持っています。
    そのため、私たちもカープのそのマインドに寄り添いたいと考えています。それは、単に試合を観るだけではなく、広島県を訪れる多くの人々に、実際には住民票を持っていないものの、心の中で広島県民の一員として感じることができる経験を提供したいと思っています。そうした取り組みを通じて、カープがより多くの人々に喜ばれる存在になれると信じています。

    スカパーさんのサービスの大きな価値として、試合の様子を全国どこからでも視聴できるという点が挙げられます。
    しかし、今回はそのサービスを一歩進め、参加者同士の交流が可能になるような取り組みや、その交流を通じて実際の現地への人々の流れを生み出すような試みを始めました。このような双方向のコミュニケーションに焦点を当てた取り組みの背後にはどのような背景や思いがあるのか、具体的にお聞きしたいと思います。

    現代は、強いコミュニティを持つことがますます重要になっていると感じています。
    近年、SNSを通じて多くの人に情報を発信することがトレンドでしたが、今後は規模が小さくても居心地の良いコミュニティを持ち、その中で助け合いながら生活を共にすることが重視される時代になると考えています。そんな仮説のもと、私たちの企業としては、その方向に進むサービスを経験してみる価値があると感じ、このような取り組みを開始しました。

    今後の時代の流れを予測し、それに基づいて経験を積んでいくという側面があり、現在できる取り組みを進めてらっしゃるのですね。
    確かに、メタバース上での交流のような新しい取り組みは多くの業界で実施されていると思います。そうした取り組みを具体的に形にしていく中で、特に大変だった点や苦労した部分はどのようなものがありますか。

    先ほども触れましたが、現段階ではメタバースという空間や機能を十分に活用しているとは言えません。
    デザインや空間の作成自体は指示に基づいて進めることができますが、本質的な問題として、このメタバース空間を通じてお客様にどのような価値を提供できるのか、どのような独自の体験を提供できるのかという点においてまだ答えが見つかっていません。

    そのため、現在はこの空間の存在価値や必要性について自ら問い続けています。将来的には、通常のサービスでは得られないような体験や価値をお客様に提供したいと考えており、その点が今の大きな課題となっています。

    確かに現状は、多くの企業がメタバースの空間を整備しただけで、その場所をどのように活用して価値を提供するかはこれからのフェーズかと思います。実際にカープ県は既にオープンしており、開催スケジュールも公式ページに掲載されていますが、初回の開催時の、参加者の方々の反応や声を聞いてどのような印象をお持ちになりましたか?

    特に、参加者が会場内を歩き回り交流する来場者の様子などを見ての印象や感想をお聞きしたいです。

    私自身、以前に3Dメタバースの利用経験があるのですが、その際には多くの課題を感じました。

    特に、端末のスペックに依存する部分や操作の難易度などが挙げられます。そうした経験から、今回2Dのメタバースを試してみることになりました。具体的には、操作が直感的で分かりやすい点が、3Dに比べて圧倒的に良かったと感じました。
    もちろん、Gatherの細かい仕様に関する部分での課題はあるものの、全体的な操作の使いやすさに関しては、2Dが3Dよりも優れているというのが私の最初の印象です。

    来場された一般のユーザーはYouTubeやインスタライブなどの既存の配信サービスと比較してメタバースの価値は何だろうか、という点を感じていると思います。
    彼らからすると、何が新しく、なぜこの新しい方法を選ぶのか、といった疑問や、または単純に試合を迅速に視聴したいというニーズがあるでしょう。


    私たちが新しい方法に慣れて、それがよりシンプルで使いやすく感じる一方、一般のユーザーはその変化に追いついていないかもしれません。特にスマホ利用者にとっては、現状では操作が難しいと感じる部分もあるのではないかと感じました。

    3Dメタバースとは異なり、2Dメタバースの最大の特徴として、カメラをオンにしての直接的なボイスチャットが挙げられると思います。当初は参加者からのテキストチャットが主でしたが、次第に雰囲気が和やかになり、ボイスを使った質問が増えてきました。直接会話できるこの機能は、2Dメタバースの魅力の一つだと感じました。

    ありがとうございます。実際に我々がイベントを開催した際、最初に直面した大きな課題は、参加者同士のコミュニケーションをどう活発化させるかでした。交流の場として提供した以上、参加者が価値を感じる交流の機会を増やすことが重要だと感じていました。

    今、スカパーさんのお話を伺っていると、同様の課題を感じていたのではないかと推測します。その中で、コミュニケーションを促進するための取り組みや、その成果について、お話しいただければと思います。

    確かにユーザー同士が気軽にコミュニケーションをとれるような状態を作るのは難しいと感じます。

    元々のコミュニティで、仲の良い人たちをメタバースに移植できれば、コミュニケーションは取りやすくなると考えているのですが、理想的には、既存のコミュニティを持っているのがベストですが、我々はそういったコミュニティを持っていないので、新しくカープ県としてコミュニティを作成する必要がありました。

    その為に、現在の取り組みとしては、メタバース内でのその人の存在を意識的に強調しています。例えば、基本的にいる出演者の方に、声をかけてアバターとしての存在感を出してもらい、空間に帰属意識を持たせるよう努めています。職員として、我々もこの空間に参加し、ユーザーのコメントに反応するなどの対応を続けてきました。

    この1ヶ月の結果、ユーザー同士で自発的にチャット上でのやり取りが増え、この空間に良い居心地を感じてくれる人たちが増えてきました。自発的にコミュニケーションを取ってくれるユーザーはまだ少ないですが、増えてきていると感じています。

    ある意味、大きなカテゴリとしての参加者や視聴者というよりも、具体的な「誰々さん」という参加者がこの場に存在していることを、運営側も含めてしっかりと認知し、伝えていく取り組みをしているという認識でよろしいでしょうか。

    確かに、メタバース上で実際に特定の相手が存在していることを認識できると、行動や振る舞いも変わると思います。

    また、他の参加者からも「あの時取り上げられた人」として認識され、コミュニケーションのきっかけを作りやすくなると思いますし、とても良い取り組みだと感じます。ありがとうございます。

    確かに、初めての参加者が活発に参加することで、後から参加する人々も参加しやすくなると思います。

    日本の文化や性格を考慮すると、1人目の行動はとても重要ですね。モデルケースを作ることで、一般の視聴者も自分も参加できると感じやすくなるでしょう。

    実際の双方向の会話の様子を見せることで、他の人々も積極的に参加したくなると思います。そのようなアプローチは、コミュニケーションの活性化にとても有効だと感じます。

    自然発生的で、偶発的なコミュニケーションをどう構築していくかは、非常に重要でありながら、現在Gatherを利用している企業の方々、我々も含めて、その点で苦戦していると考えます。この文脈において、心がけていることや、何かコツのようなものがありましたら、是非お聞きしたいです。

    その空間自体を好きになってもらうことが重要だと考えています。

    もし誰かがその空間を好きであるならば、その空間を拡げたいと思い、新しい参加者に対しても楽しんでもらいたいと思うでしょう。それが、自然とコミュニケーションを活発にします。まずは、この空間を好きな人を着実に増やすことが大切です。この空間が好きだけれど、誰ともコミュニケーションを取りたくないという人は少ないと考えますし、実際にボイスチャットで話すかは別として、皆で集まって応援するなど、共通の活動に対して抵抗がない、むしろ好きな人がこの空間には多くいると思います。

    そのような人たちを更にスキルアップさせ、さらに好きにさせていくことで、コミュニケーションは自然と増え、そのような人たちも増えていくでしょう。そこで、地道にそのファン、熱烈なファンを増やし、活動するのが最善の策であると、現時点の1ヶ月経過で感じています。

    確かに、参加された方がさらに好意を持ってもらうように、改良できる部分を修正しつつ、地道にコミュニケーションをとりながら、好きな方を1人、2人と増やしていくことは重要なポイントとなりそうですね。

    その点において、Gatherは偶発的なコミュニケーションを生み出すには、とても相性が良いように思います。逆にその要素がないと、利用者は自発的にコミュニケーションを取らない、という観点もあります。

    野球観戦、特にスタジアムでは、偶発的なコミュニケーションが自然に生まれるものです。私自身はそれを積極的に行うタイプではありませんが、例えば広島カープのファンは、球場で隣の人と得点時に一緒に喜び、どこから来たのかなどの話をしてコミュニティが形成される、といった現象がリアルな場で頻繁にあると聞きます。

    この点から見て、カープ県には、きっかけ作りとしての要素やコンテンツとしての世界観があると思います。仮にただ、時間を固定して「会議をしましょう」という状況になると、「Zoomで良いのでは?」という発想になるかもしれません。コンテンツ次第にはなりますが、コミュニケーションの必要性や自然と生まれる必然性があれば、良いプラットホームとなるのではないかと思います。

    私はエンジニア寄りの立場から、特にコミュニティの側面が大切だと感じています。

    このプラットフォームには、ラジオの要素を感じる部分があります。ラジオはビジュアルがないものの、音声を通じてコミュニケーションを楽しむメディアというようなイメージです。この場の「Zoom」に似た要素も確かにありますが、アバターが見える点や、音声とビジュアルの組み合わせには新しいコミュニティを形成するポテンシャルを感じています。

    今後はスポーツだけでなく、エンターテインメントの分野など、他のコンテンツでもこのプラットフォームが活用できる可能性を見出しています。正直なところ、まだ「コツ」を把握している段階ではありませんが、コミュニティとしての活用が期待できると感じています。

    ありがとうございます。皆さんのお話を伺っていて、正解がないからこそ、”これが正解”と決めつけずに、様々な形で試みることが重要だと感じました。

    さて、最後の質問に移りますが、今回の「カープ県」の取り組みを回顧して、今後も続けていくと思いますが、今後の展望について、先ほど少し触れられたように、広島県との提携や、他に大規模な活動を予定しているなど、お考えになっている展望があれば、お聞きできる範囲でお話いただければと思います。

    カープ応援コミュニティではなく、広島にゆかりのある人や組織を応援するコミュニティを目指しています。

    カープはそのコンテンツとしてメインに位置づけていますが、例えば広島の生産者を応援する活動や学生スポーツをサポートするなど、コミュニティの活動を広げていく考えています。

    これにより、一緒に活動をしたいと思う企業も増えると予想しています。カープだけに焦点を絞るのではなく、広島県の関係人口を増やす様々な取り組みをしたいと考えています。

    改めて感じるのは、多くの方が集まる場には、しっかりとした集まる理由が必要だということですね。

    特に野球の観戦というコンテンツは、人々が集まる大きな理由となります。貴社のように、そのようなコンテンツを持つ企業がGatherを活用して様々な取り組みをされることは、我々にとっても大変ありがたく思います。

    今後も様々な形で協力できる機会があれば、ぜひ一緒に取り組んでいければと思います。本日はお話を伺えてありがとうございました。

    いかがでしたでしょうか。

    Gatherを用いて気軽なコミュニケーションができる場を設けつつも、積極的に参加者がコミュニケーションをとれるような風土や仕組みづくりが一層重要になる事がとてもよくわかる事例でした。

    地道に運営側と参加者側との意見をすり合わせながら、双方にとって理想的な場となるための雰囲気づくりが今後も行われていくことかと思いますので、カープ県の今後の発展にとても期待が高まります。

    それでは、今回は以上です。

    また、次回の記事でお会いしましょう!

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