伊勢丹がメタバースに取り組む理由とは?活用事例についても紹介!
新型コロナウイルスが流行したことによる外出制限などの影響により、百貨店業界では大きな打撃を受けました。
このような理由から、百貨店業界ではメタバースに参入するケースが増えています。メタバースでは非接触で行動ができるため、新型コロナウイルスのような感染症が発生した場合でも影響を受けません。
百貨店の中でも、三越伊勢丹はメタバースでさまざまな展開をしていることから注目を集めています。
この記事では、三越伊勢丹がメタバースに取り組む理由と活用事例について解説します。
三越伊勢丹がメタバースに取り組む理由
三越伊勢丹がメタバースに取り組む理由には、以下のものがあります。
- コロナ禍による売上の低迷
- 若年層の百貨店離れ
- EC売上比率の低さ
コロナ禍による収益の落ち込み
デパート・百貨店業界は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けています。感染症対策による来店者数の減少、渡航制限による海外からの観光客の減少、さらにはファッション需要の低下による衣料品の売上げ減少などが原因で、厳しい収益状況に直面しています。
若年層の百貨店離れ
購買行動の変化に伴い、若年層の百貨店離れが進行しています。
流行の発信地、スタイリングや商品の情報源、実際の購入場所がオフラインからオンラインに移行し、全ての購買プロセスをオンラインで完了するケースも増えています。
さらに、ユニクロやGUなどのプチプラファッションの台頭により、高価な商品を取り扱う百貨店での購入者は減少しています。
他にも、ZOZOTOWNやInstagramなどの推奨機能が充実してきたことで、百貨店の強みであった個々の顧客に合わせた商品やスタイルの提案についても、優位性が低下しています。
EC売上比率の低さ
百貨店は顔を合わせて丁寧に接客をすることで、個々の顧客に合わせた商品やスタイルを提案することが強みです。
ただ、後発のアパレル小売店やブランドと比較すると、EC化への取り組みが遅れています。そのため、ECでの売上比率は低いのが現状です。
新型コロナウイルスの感染が終息した後でも、オンラインでの購買はさらに広がり続けると考えられているため、ECの売上向上は中長期的な経営課題となります。
三越伊勢丹がメタバースに期待すること
三越伊勢丹は、メタバースを通じて以下のようなことを期待しています。
- 若年層の取り組み
- 新たな購買体験の提供
- EC売上の比率の向上
- 24時間接客ができること
若年層の取り込み
メタバースの仮想空間では、人気のあるコンテンツとのコラボやマーケティングなど、若年層を対象とした多種多様なマーケティング活動が可能です。
すでに、大手百貨店が主導するメタバースでは、VTuberなどがライブイベントをしたり、人気マンガキャラクターとのコラボブースの設置など、通常の顧客層とは異なる若年層の獲得を目指した取り組みが行われています。
新しい購入体験の提供
メタバースを利用した商品販売は、実店舗やECに次ぐ第三の販売チャネルとなる可能性があります。メタバース上の店舗での商品販売では、販売スタッフがアバターとして接客したり、実店舗では難しい体験型のマーケティング活動を行うことが可能です。
そのため、実店舗とECの双方の課題を解決した、新しい購入体験を提供できると考えられていて、各企業が顧客が求める体験の構築に向けて多くの実証実験を行っています。
EC売上比率の向上
メタバースでの商品販売は、購入後に商品が自宅に配送されるECの形態をとることが多く、デパートが長年抱えてきたEC化の比率の向上に寄与する可能性があります。
メタバース上ではすでに、販売スタッフがアバターとして接客するという取り組みが進められています。
そのため、対面での丁寧な接客を通じて、個々の顧客に合わせた商品やスタイルの提案という、従来のECでは発揮できなかった百貨店の強みが活かされると期待されています。
24時間いつでもどこでも接客ができること
伊勢丹がメタバースに参入する理由の一つとして、24時間いつでもどこでも接客ができるという大きな利点があります。
これは従来の実店舗やオンラインショッピングでは実現が難しかった、新しい顧客体験を提供するための重要な要素です。
伊勢丹のメタバース「REV WORLDS」とは?
三越伊勢丹では、独自のメタバースプラットフォームである「REV WORLDS」を開発しました。
ここでは、このREV WORLDSについて解説します。
REV WORLDSが誕生したきっかけ
REV WORLDSが誕生したきっかけは、2018年に始まった社内起業制度での応募です。
近年、EC化が進んだことにより、商品を購入する際の利便性が高くなっています。ただ、EC化により店員と顧客との間のコミュニケーションは減少し、体験価値を提供できていないという点が課題でした。
REV WORLDSは、これを補うために誕生しました。
REV WORLDSでは、実店舗の店員を再現したアバターが接客するのが特徴です。
Zoomなどでもコミュニケーションはできますが、身振り手振りなどで伝えることはできません。
メタバースであれば、より多くの情報を使えることが可能で、実店舗にいるかのような体験ができます。
REV WORLDSでは、対面ではあるものの実店舗でもECでもないという、新しい体験が可能です。
REV WORLDSの特徴
REV WORLDSには、以下のような特徴があります。
- オンラインで実店舗のようなショッピングができる
- 友達と一緒にショッピングができる
- アバターを介してリアリティが高い体験が可能
- スマートフォンがあれば利用できる
それぞれについて解説します。
オンラインで実店舗のようなショッピングができる
REV WORLDSは、オンラインでありながら、実店舗でショッピングしているかのような体験ができます。
ECサイトは欲しい商品がすぐに見つかる便利さが特徴ですが、実店舗でショッピングをするときのように、偶然出会った商品を購入するという体験はありません。
REV WORLDSでは、仮想空間にある店舗を自由に移動しながらショッピングをするため、偶然興味がある商品が見つかるという体験をすることができます。
また、アバターとなった店員による接客を受けることも可能で、実店舗に行ったような体験が可能です。
友達と一緒にショッピングができる
REV WORLDSでは、友達や家族と一緒にショッピングをすることができます。
友達をREV WORLDSに誘うことで、一緒にショッピングが可能で、実店舗に一緒にショッピングに行ったかのような体験ができます。
ECサイトでは、基本的には一人でのショッピングになるため、REV WORLDSではより現実に近い形のショッピングをすることが可能です。
アバターを介してリアリティが高い体験が可能
REV WORLDSでは、アバターを介して行動するため、ショッピング以外にもさまざまな体験が可能です。
REV WORLDS内では、さまざまなイベントやライブが開催されていて、アバターで参加することができます。
すでに多くのイベントがオンラインで開催されていますが、REV WORLDSではアバターで参加するため、従来のオンラインイベントとは違った体験が可能です。
たとえば、ライブに参加しながらちゃっとなどを使うことで、リアルの会場にいるかのような体験ができます。
スマートフォンがあれば利用できる
REV WORLDSは、スマートフォンがあれば誰でも利用できます。
従来のメタバースでは、VRヘッドセットやスペックが高いPCが必要なものが多く、用意するには多くのコストがかかるため、気軽には参加できませんでした。
REV WORLDSであれば、スマートフォンだけで利用できるため、誰でも気軽に利用することができます。
そのため、他のメタバースと比較して、利用までのハードルは低いと言えます。
伊勢丹の今後のメタバースの活用に期待!
ここまで、三越伊勢丹がメタバースに取り組む理由や、活用事例について解説しました。
この記事の内容は、以下の通りです。
- 三越伊勢丹がメタバースに取り組む理由
- コロナ禍による収益の落ち込み
- 若年層の百貨店離れ
- EC売上比率の低さ
- 三越伊勢丹がメタバースに期待すること
- 若年層の取り込み
- 新しい購入体験の提供
- EC売上比率の向上
- 24時間いつでもどこでも接客できる
- 三越伊勢丹のメタバース「REV WORLDS」とは?
- REV WORLDSが誕生したきっかけ
- REV WORDLSの特徴
百貨店業界は、コロナ禍の影響で売上が大幅に減少したことにより、メタバースに注目しています。
その先頭となっているのが三越伊勢丹です。
三越伊勢丹では、独自のメタバースプラットフォームであるREV WORLDSを提供するなど、メタバースに対してさまざまな取り組みを行っています。
また、REV WORDLSでは、実店舗でもECサイトでもない新たな体験を提供しています。
今後もさらなる活動が期待され、百貨店業界の発展につながると想定されています。