MENU
!ロゴ
Beyond Work Laboの編集ポリシー
!お役立ち資料/問い合わせ追加

メタバースが抱える問題点とは?ユーザー・企業のそれぞれの観点から解説

メタバースが抱える問題点とは?ユーザー・企業のそれぞれの観点から解説

近年メタバースには多くの注目が集まっていて、さまざまな業種の企業が取り組みを始めています。

今後のさらなる発展が期待されるメタバースですが、現状多くの問題点があることも事実です。

この記事では、現在メタバースが抱えている問題点について解説します。

目次

メタバースのユーザー側の問題点

まずは、ユーザー側から見たメタバースの問題点を紹介します。

以下の項目について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

・心理的な悪影響がある
・身体的な悪影響がある

心理的な悪影響がある

メタバースが抱えているユーザー側の問題点として、心理的な悪影響があります。

メタバースでは、ユーザーは没入感が高い体験ができるため、中毒性が高いのではと危惧されています。

また、メタバースのユーザーには若年層が多くなっていますが、若年層はアイデンティティを確立する段階であるため、その時期にメタバース内でアバターとしての人格で長時間活動をしていた場合、現実世界のアイデンティティとのギャップが生まれ、それが原因で精神的なストレスを抱えるのではとも想定されています。

このように、メタバースが普及することで、心理的な悪影響があることが問題点といえます。

身体的な悪影響がある

メタバースでは、心理的な悪影響だけでなく、身体的な悪影響もあるのではと指摘されています。

メタバースでは、VRヘッドセットを装着してアクセスしますが、これにより乗り物酔いのような状態になったり、転倒するなどのリスクがあります。

また、日常生活においてメタバース内で活動する時間が増えると、その分だけ運動量が減ってしまうため、生活習慣病になるなどの健康上の問題が増えるのではと危惧されています。

メタバースでの活動中には体を動かすことがないため、何らかの対策が求められます。

メタバースの企業側の問題点

ここからは、企業側から見たメタバースの問題点について解説します。

企業側の問題点としては、以下のものが考えられます。

・情報漏洩のリスクがある
・盗難やハッキングのリスクがある
・匿名性が悪用されるリスクがある

情報漏洩のリスクがある

企業側がメタバースで抱える問題点として、個人情報などの情報漏洩のリスクがあることです。

ハッカーなどがメタバースをターゲットとして、メタバース内にある個人情報や企業の情報を流出させてしまう可能性があります。

メタバースでは、さまざまな活動が行われていますが、これらの情報は従来のWebサイトでの情報よりもリッチなものになると想定されているため、情報の流出による被害もより大きくなると考えられています。

実際、メタバースプラットフォームのRobloxでは、カンファレンスに参加した約4,000人分の個人情報が流出したという問題がありました。この個人情報には、氏名や生年月日だけでなく、メールアドレス、IPアドレス、住所といった情報も含まれていました。

盗難やハッキングのリスクがある

メタバースでは、デジタルコンテンツなどの販売活動が行われていますが、これを対象とした盗難やハッキングのリスクも存在します。

メタバース上では、アバターが着用するアイテムや土地などがNFTを活用して売買されています。

この売買については暗号資産などを用いて行われますが、暗号資産については取引所がハッキングされて流出するという事件も発生しています。

代表的な事件としては、2018年に暗号資産取引所であるCoinCheckがハッキングされたというものがあります。この事件では、約580億円相当の仮想通貨が流出しました。

また、メタバース内でやりとりするNFTについても、ハッキングされて盗難にあったというケースもあり、これまでのNFTの盗難被害が1年間で1億ドルを超えたというデータもあります。

他にも、メタバースの仮想空間がハッキングにより改竄させるリスクも存在します。

メタバース上で展開している建物などの施設が改竄されれば、出店している企業に大きな損害が出る可能性があります。

このケースについては、エルメスのバーキンを模倣した「メタバーキン」が、エルメスの許可を得ずに出品されたという事件がありました。この件については、知的財産権の侵害という理由により、約1,750万円の賠償金が発生しました。

匿名性を悪用されるリスクがある

メタバースでは、アバターを通じて活動するため、一定の匿名性があります。

この匿名性を悪用した詐欺などの犯罪が発生するリスクも存在します。

メタバースでは、アバターで活動しますが、アバターの姿は現実世界とは関係なく自由に設定できます。

また、名前などのプロフィールも現実世界に合わせる必要はなく、まったくの架空のプロフィールで活動することが可能です。

そのため、悪意があるユーザーがこの匿名性を利用し、詐欺などの犯罪をするリスクが想定されています。

事件が発生しても、匿名性があることから犯人を特定にしくいため、解決が難しくなることも考えられます。

メタバースが抱える問題点について

ここからは、メタバースそのものが抱えている問題点について解説します。

メタバースの問題点としては、以下のものがあります。

・ユーザーへの普及が進んでいない
・企業側の収益が増えていない
・法整備が遅れている
・技術が発展途上

ユーザーへの普及が進んでいない

メタバースの問題点として挙げられるのが、まだ多くのユーザーにメタバースが普及していないという点です。ユーザー数を見ると、メタバースはまだ発展途上といえるでしょう。

現在では、一部の感度の高いユーザーがメタバースを活用しているという段階であり、一般ユーザーが当たり前のようにメタバースを利用する段階ではありません。

一般ユーザーにまで普及させるためには、キラーコンテンツと呼ばれる存在が必要ですが、メタバースにはまだそれが存在しているとは言えません。

このように、誰もがメタバースを利用したくなるキラーコンテンツが登場するまでは普及が急激に進むことは考えにくいのが現状です。

また、現在ではメタバースに参加するまでのハードルが高く、VRヘッドセットなどの購入が必要です。

ただ、VRヘッドセットはまだ価格が高く、重量などの問題で長時間利用しにくいという問題もあります。

企業側の収益が増えていない

メタバースでは、参入している企業側の収益が増えていないことも問題点です。

メタバースに参入している企業にはさまざまなものがありますが、現在はどの企業も投資段階といえます。

利益を出している企業もありますが、大きな収益を上げているといはいえないのが現状です。

メタバースに参入する企業は増えていますが、どれも本業に余裕がある大手企業であり、今後のビジネスのための検証の位置付けとなっています。

そのため、収益を上げることを目的として参入する企業があまり存在しないのも問題でしょう。

今後メタバースから大きな収益を出す企業が現れてくることで、参入する企業も増えると考えられますが、ある程度の時間を要すると思われます。

法整備が遅れている

メタバースが抱える問題点には、法整備が遅れているという点があります。

日本政府においては、メタバースについての検討は始めていますが、まだ法整備の段階には至っていません。

メタバース上では、さまざまなトラブルや犯罪などのリスクが存在しています。

FacebookのVRプラットフォームHorizon Worldでのベータテスターが仮想的なセクハラを受けたと主張した事例もあります。

このケースでは、ユーザー間のブロック機能があるものの、法的な対応は不明確であり、メタバース内での行動規範や法的措置が未整備であることが明らかになっています。

また、メタバースでは、デジタルコンテンツや土地などの所有権が売買されていますが、これに関する法律が存在せず、現行ではどの法律がどのように適用されるのかがはっきりしていません。

そのため、トラブルが発生しても法的な対応がとれないことも考えられます。

今後、法整備が進んでいくと考えられますが、ある程度の時間が必要になります。

技術が発展途上

出典元:Decentraland

現状では、メタバースはまだ技術が発展途上の段階となっていることも問題点のひとつです。

メタバースで要求される技術としては、メタバースの体験をより高めるための技術と、メタバースにアクセスする際の負担を軽減するための技術にわけられます。

メタバースの体験を高めるための技術としては、3Dのモデリング技術や、メタバース内でのユーザーの動作に反映するVRヘッドセットのトラッキング技術があります。

また、メタバースにアクセスする際の負担を軽減するための技術としては、VRヘッドセットの軽量化、小型化などが挙げられます。

VRヘッドセットの軽量化は進んでいますが、まだ長時間利用するには難しいのが現状です。また、トラッキング技術についても、現実世界と比較するとラグが発生するため、若干の違和感が存在します。

メタバースでは、現実世界さながらの体験ができますが、現実世界と間違えるほどの体験には至っていません。そのため、今後のさらなる技術の発展が期待されます。

メタバースの問題点を理解して活用しよう!

ここまで、メタバースが抱える問題点について、ユーザー側と企業側について解説しました。

この記事の概要は以下の通りです。

  • メタバースのユーザー側の問題点
    • 心理的な悪影響がある
    • 身体的な悪影響がある
  • メタバースの企業側の問題点
    • 情報漏洩のリスクがある
    • 盗難やハッキングのリスクがある
    • 匿名性を悪用されるリスクがある
  • メタバースが抱える問題点について
    • ユーザーへの普及が進んでいない
    • 企業側の収益が増えていない
    • 法整備が遅れている
    • 技術が発展途上

近年ではメタバースの活用が進んでいますが、まだ一般ユーザーが普通に利用する段階までは普及していません。また、企業側も投資の段階であり、本格的に利益を出すところまで来ていないのが現状です。

他にも、法整備の遅れやセキュリティ上の問題など、多くの問題が残されています。

今後のメタバースの発展のためには、このような問題点の解消が急がれるでしょう。

この記事を書いた人

金川 和也のアバター 金川 和也 Beyond Work Labo代表/メタバースとDXの専門家

BeyondWorkLaboの運営主です。
株式会社LocalSquareの代表で上場企業から中小企業まで
法人向けにメタバース活用支援やDX支援を行っています。

このサイトでは、「未来の働き方改革」をスローガンとしてメタバースから業務効率化、DX、AIなど明日の働くを"大きく変える"皆様に役に立つ情報をメディアを通して発信していきます。是非、役に立つなと感じたら拡散よろしくお願いいたします。

目次