Microsoftのメタバースへの取り組みは?現状の動向も解説!
近年では、さまざまな企業がメタバースへの取り組みを始めていますが、マイクロソフトもメタバースに注力しています。
マイクロソフトは大手企業であるため、メタバースへの取り組みは業界に大きな影響を与えることが考えられるため、動向には注視する必要があるでしょう。
この記事では、マイクロソフトのメタバースへの取り組みとその動向について紹介します。
Microsoftのメタバースへの取り組み
現在マイクロソフトはメタバースにさまざまな取り組みを行っています。
メタバースへの取り組みとしては、以下のものがあります。
- 仮想空間に注目
- インダストリアルメタバースに注力
- Mesh for Microsoft Teams
- コンシューマー向けについて
仮想空間に注目
マイクロソフトは、2014年にマインクラフトを取得したことで、仮想空間の可能性について認識しました。
同社は、ゲーム業界での成功を基に、メタバースの構築にも熱心に取り組んでいます。
この動きは、最近の技術進歩により可能となったもので、社会やビジネスに大きな影響を及ぼす可能性があります。
マイクロソフトは、今後もメタバースの構築に力を注ぎ、世界をリードするゲーム企業としての成長を続けることが期待されています。
「メタバースを実現するマイクロソフトのテクノロジー」というタイトルの講演では、日本マイクロソフト Azureビジネス部門の上田欣典氏が、マイクロソフトが提供するメタバース関連の製品やサービスを紹介しました。
その講演では、次世代の拡張現実(XR)デバイスであるHoloLens、遠隔支援ソリューションである「Microsoft Dynamics 365 Remote Assist」、3Dの作業ガイド/自己学習を可能にする「Dynamics 365 Guides」などが紹介されました。
これらの技術は、仮想空間と現実空間を融合させることで、ビジネス、教育、エンターテイメントなど、さまざまな分野で新たな価値を生み出すことができます。
上田氏は、メタバースが人々の生活や働き方を変える可能性を持っており、マイクロソフトがその実現に向けて熱心に取り組んでいることを強調しました。
インダストリアルメタバースに注力
マイクロソフトは、メタバースをコンシューマー向け、ビジネス向け、産業向けの3つにカテゴライズしています。
特に、同社が注力しているのは産業向けのインダストリアルメタバースで、川崎重工業などの企業がMicrosoft AzureやHoloLensを使って、製造現場での協調作業、監視、遠隔操作などを実現しています。
これらの取り組みにより、製造現場での生産効率の向上や、遠隔地からの効率的な作業が可能になります。
今後、マイクロソフトはインダストリアルメタバースの領域に注力し、多くの企業が導入することが期待されています。
また、Azure Digital Twinsというサービスもリリースしています。
Azure Digital Twinsは、現実にある空間をデジタルツインとしてモデリングして、そこにセンサーやデバイス情報を統合することができるサービスです。
作成したデジタルツインについては、現実の空間の状況をリアルタイムに反映することができます。
Mesh for Microsoft Teams
「Mesh for Microsoft Teams」は、Microsoftが提供する、従来のTeamsでアバターを用いたコミュニケーションが可能なサービスの拡張バージョンです。
このサービスは、将来的には3Dの没入型空間でのコミュニケーションを可能にする予定です。
これにより、ビジネスや教育の領域でのリモートワークやデジタル授業において、よりリアルなコミュニケーション体験が期待されます。
また、現在でも、Teamsの会議にアバターで参加することが可能なコマーシャルメタバースの一部として、ビジネスコミュニケーションに広く利用されています。
今後、このサービスはさらに発展し、ビジネスや教育の分野で、より効率的なコミュニケーションツールとしての役割を果たすことが期待されています。
コンシューマー向けについて
現在、マイクロソフトはインダストリアルメタバースという分野に注力しています。
この領域では、メタバース技術を産業用アプリケーションに適用し、デジタルツインや3Dレンダリングなどを活用して、仮想世界と現実世界を一体化させます。これにより、ビジネスの流れを最適化したり、チーム間の協力を促進したりすることが可能になります。
また、マイクロソフトはコマーシャルメタバースにも力を入れており、TeamsやMeshなどの製品やサービスを展開しています。
一方、コンシューマーメタバースにはそれほど力を入れておらず、SNSやゲームなどの領域はMeta(旧Facebook)がリードしていると言われています。
Mesh for Microsoft Teamsとは?
「Mesh for Microsoft Teams」は、Microsoft Teams上でアバターによるコミュニケーションができるようになるサービスです。
従来のビデオ会議とは違って、3D空間上で活動することから、より没入感のあるコミュニケーションができるとされています。
Teamsをメタバースに拡張したもの
Teamsは、本来はビジネス向けに開発されたコミュニケーションツールでした。そのため、ビデオ通話やチャットなどの機能を搭載しています。
しかし、Teamsではビデオのオンオフしか選べないため、オンライン上でコミュニケーションをとる際に不自然だと感じている人もいました。
このような背景から、Teamsはメタバースに拡張されています。
Teamsをメタバースのように利用できることで、ビデオのオンオフを気にせずに会議に参加できたり、コミュニケーションをとることが可能になっています。
Teamsのメタバース版では、3Dの仮想空間内でアバターを作成し、そのアバターを使って他の参加者とコミュニケーションをとります。
アバターは、リアルな自分自身の姿にするだけでなく、自分自身を表現するイメージにすることも可能です。
また、ビジネス向けの機能も搭載していて、ファイル共有やプレゼンテーション、タスク管理機能などがあります。
Teamsのメタバース版は、オンライン上のコミュニケーションをより自然かつ効果的にできることから、ビジネス以外の分野の教育やイベントでも活用されると期待されています。
Meta Questとの連携
「Meta Quest」は、Meta社が販売しているVRヘッドセットです。
Meta Questは、スペックが高く比較的リーズナブルであるという理由から、Meta Quest2がヒットしました。
現在では、さらなる進化版として「Meta Quest3」がリリースされています。
マイクロソフトは、Meta社とパートナーシップを結ぶことで、Microsoft TeamsやMicrosoft 365アプリをMeta Questに対応させています。
これによって、Teamsの会議にMeta Questで参加することが可能になり、さらにWordやExcelなどのアプリの操作も可能になります。
さらに、Metaのアバターシステムを採用することで、Teamsでホワイトボードやブレインストーミングなどをアバターで行うこともできます。
他にも、Meta社のメタバースである「Horizon Workrooms」からTeamsにアクセスすることも可能です。
Microsoftの今後のメタバースへの取り組みに注目!
ここまで、マイクロソフトのメタバースへの取り組みと現状の動向について解説しました。
この記事の内容は以下の通りです。
- Microsoftのメタバースへの取り組み
- 仮想空間に注目
- インダストリアルメタバースに注力
- Mesh for Microsoft Teams
- コンシューマー向けについて
- Mesh for Microsoft Teamsとは?
- Teamsをメタバースに拡張したもの
- Meta Questとの連携
マイクロソフトは早い段階からメタバースに注目していて、いくつかの取り組みを始めています。特に注力しているのがインダストリアルメタバースで、主に企業向けのメタバースとなっています。
一方で、コンシューマー向けには大きな動きはなく、この方針は今後も継続していくものと思われます。
マイクロソフトは大手企業であるため、メタバースへの影響も大きく、今後の動向が注目されます。