メタバースに活用できるVR動画とは?特徴やメリット、活用方法について紹介!
近年注目が集まっているメタバースでは、VR技術を活用しています。そんなVRを活用したものに「VR動画」があります。
このVR動画は、現実に存在するかのような体験ができる技術で、ユーザーに新しい体験を提供できることから、広告やプロモーションでの活用が進んでいます。
この記事では、VR動画の特徴やメリット、活用方法、作成手順などについて解説します。
VR動画に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
メタバースとは?
メタバースとは、インターネット上に構築された3次元の仮想空間のことを指しています。
メタバースを利用するユーザーは、自身の分身であるアバターを使うことで、空間内を自由に移動し、他のユーザーとコミュニケーションを取るなどの活動が可能です。
メタバースは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの技術を活用することで、よりリアリティがある体験を提供しています。
メタバースでは、現実世界では実現できないさまざまなことができます。
- コミュニケーション: 距離や時間に関係なく、世界中の人とコミュニケーションを取ることができます。
- ゲーム: バーチャル空間で、様々なゲームを楽しむことができます。
- 仕事: バーチャルオフィスで仕事したり、オンライン会議に参加したりすることができます。
- 教育: バーチャル空間で、様々なことを学ぶことができます。
- ショッピング: バーチャル空間で、商品を見たり、購入したりすることができます。
- エンターテイメント: バーチャル空間で、ライブコンサートや演劇などを楽しむことができます。
メタバースのVR動画とは?
メタバースなどのVR動画は、視聴することで没入感が得られるのが特徴の動画です。
VR動画のVRとは、バーチャルリアリティの略で、日本語では仮想現実と表現されます。現実さながらのリアリティがある空間を立体映像で生成することで、現実に存在しているものと同様の体験をすることができます。
VR動画は、このVR技術を駆使していて、VR動画を視聴することで疑似体験することが可能です。
VR動画と通常の動画の違いは、没入感の差にあります。VR動画の場合は、周囲を360度見渡すことが可能なので、リアリティある体験ができます。通常の動画にも360度見渡すことができるものが存在しますが、VR動画の場合はゴーグルを使用して視聴することで、よりリアリティある体験が可能です。
通常の動画は情報を提供しているのに対し、VR動画はリアリティある体験が提供できます。
VR動画の仕組みについて
VR動画では、いくつかの技術を組み合わせることで実現しています。
ここでは、VR動画の技術について紹介します。
立体視
VR動画では、立体視を活用することで、映像にリアリティを持たせています。
具体的には、右目用と左目用のカメラを2つ用意して同時に撮影します。VRゴーグル内にはディスプレイが2枚搭載されていて、それぞれ別の映像を表示します。
この2つの映像は脳内で合成されて認識されるため、立体的な映像という体験ができます。
顔を向けた方向を見ることができる
VR動画は、VRゴーグルと使って視聴します。
VRゴーグルは向きを認識することが可能で、ゴーグルをつけている人の顔の向きに合わせた範囲を視聴することができます。
その結果、現実と同様に周囲を見渡すことができます。
音の方向がわかる
従来の動画では、音声は左右で別の音声を流すことでステレオで再生されます。
VR動画の場合は、360度の全方位で録音と再生が行われるため、すべての方向で音を感じることができます。
VR動画を気軽に楽しめる無料のおすすめサイト・アプリ
VR動画をビジネス活用したいのであれば、実際にVR動画を体験してみましょう。
最近は、無料でVR動画を視聴できるサイト・アプリも増えていますので気軽に楽しめる無料のおすすめサイト・アプリをご紹介していきます。
YouTube VR
「YouTube」はVRコンテンツの提供に取り組んでおり、世界のさまざまなクリエイターによって生み出された動画を体験できるプラットフォームです。
VRコンテンツをスマートフォンで楽しむためには、専用のアプリケーションのダウンロードが必要です。YouTubeでのVR映像は、誰もが投稿可能なため、作品の品質に幅があります。
VR動画の魅力を存分に味わいたい場合は、プロの制作チームや企業が運営するチャンネルの動画を視聴することをおすすめします。
日経VR
「日経VR」は日本経済新聞社からリリースされているアプリケーションで、国宝や重要文化財を含むVR映像を鑑賞可能です。
また、VR技術を利用したアート作品の展示空間、「VRミュージアム」も提供しています。これにより、日本経済新聞社が開催した展覧会に出展されたアートをVRで楽しめます。
自社製品のVR紹介を検討している方にとって参考になりますし、ニュースコンテンツに加えて360°の動画も配信しているため、テキストだけでは伝わらない現場感を得られます。
VRプラネタリウム(ホームスターVR)
ホームスターVRは、実際のプラネタリウムをVR技術で再現したもので、3,000以上の星や80以上の星座を映し出すことができ、実際の星空の美しさを忠実に表現しています。
最も優れた機能は、GPSを用いた位置情報の取得で、利用者が現在地に応じた星や星座を確認できます。
また、暗所での使用に適したナイトモードも搭載しており、VRでの鑑賞だけでなく、実際に星を観測する際にも役立つ機能を有しています。
VR square
「VR square」は、アーティストのライブやコンサート映像をはじめとする多彩なVRコンテンツを提供する動画配信サービスです。
ドラマや独自制作のコンテンツ、さらには観光スポットのVR映像も楽しめます。このアプリにはスマートフォンモードも備わっているため、VRヘッドセットがなくてもVR動画の鑑賞が可能です。
エンターテイメントや観光業界でVR動画を活用したいと考えている方にもおすすめです。
メタバースのVR動画のメリットについて
ここでは、VR動画のメリットについて解説します。
リアリティがある体験ができる
VR動画では、現実と同じような疑似体験ができるため、リアリティがある体験ができます。
また、VRゴーグルを装着することで、一時的に現実から遮断されるため、より没入感が得やすくなっています。
例えば、商品などをVR動画でPRする場合は、実物を目にしたような体験が得られるため、より商品の魅力を伝えることができます。
視聴時間が長い
VR動画では、通常の動画と比べて視聴時間が長くなる傾向があります。
これは、VR動画の場合は視聴しながら体験を行うため、飽きにくくなっています。また、VRゴーグルを使うことで、他のことに気を取られることがないため、より視聴に集中することができます。
その結果として、VR動画は視聴時間が長くなりやすくなります。
自然な流入が可能
VR動画を視聴する場合は、すでに興味や関心がある状態で視聴しているため、現実の広告よりも視聴されやすいという特徴があります。
メタバース内のVR動画の広告を表示することで、メタバース内のユーザーは街にある看板を見るのと同じ感覚になるため、広告コンテンツに自然に流入することが期待できます。
メタバースのVR動画の活用方法
メタバースのVR動画は、現在さまざまな活用方法があります。
ここでは、VR動画の活用方法について紹介します。
商品のプロモーション
VR動画は、商品のプロモーションにも効果的です。
メタバースなどの仮想空間で商品をリアリティがある状態で体験できるため、現実で実物を手にした場合に近い感覚が得られます。そのため、商品の特徴などを伝えやすくなっています。
VR動画を用いることで、ユーザーは商品やサービスを直接体験しているかのような没入感を得られます。このような映像は、伝統的な2D映像に比べて情報が直感的に理解されやすく、その結果、消費者の購入や利用への意欲をより一層引き上げる効果があります。
例として、自動車の製造企業がVR映像を活用すれば、見込み客に対して車内のデザインや走行時の体験を仮想的に提供し、それによって購入への興味を促進させることが可能です。
上図は、トヨタ自動車が製造するGRヤリス(GR YARIS)に関するPR動画で、同社の会長である豊田章男氏自らが「モリゾウ」という名前のドライバーとして、迫力満点の運転を展開しています。
研修やトレーニング
業務のために特別な技術が必要な業種では、研修やトレーニングにVR動画が活用されています。
特に、危険な作業が必要な業種の場合は、事前にVR動画でシミュレーションができるため、現実でのリスクを減らすことができます。
通常の研修では、文章や画像などが記載されたマニュアルを使用しますが、VR動画を利用した研修の場合は、現実の体験に基づいた内容での研修ができることから、学習効果が高まることが期待できます。
VR動画を研修で活用している業種としては、建築業界があります。建築現場では、危険な作業がありますが、その作業について事前にトレーニングすることが可能です。
観光プロモーション
VR映像は、観光地の魅力を効果的に伝達する手段として使用されます。これにより、実際にその場所を訪れる前に、観光地の雰囲気を仮想体験でき、旅行の計画を立てやすくなります。
地方自治体がVR映像を利用してその地域の自然や文化を紹介することにより、観光客を引き寄せることが可能です。また、観光施設が施設内部の見どころをVR映像で示すことで、訪問者の増加に繋がります。
上図は、石川県河北郡市にある観光名所を紹介する目的で、津幡町役場がYouTubeに投稿したVR映像です。
この映像は、一年を通じての地域の美しさを体感できるよう作成されています。
展示会やイベント
VR映像は、展覧会やイベントにおける来場者の注目を集める有効な手段です。伝統的な展示スタイルと比べ、より強い訴求力を持ち、参加者に記憶に残るような体験を提供することが可能です。
たとえば、企業がVR映像を通じて自社の製品や提供サービスを紹介することにより、顧客とのより多くの接触ポイントを作出することができます。また、イベントの主催者がVR映像でイベントの見どころを事前に体験させることで、より多くの参加者を呼び込むことが期待できます。
上図は、さくらインターネット株式会社が自動車をフィーチャーした展示会「Japan Mobility Show 2023」の様子です。ブースで披露されたVR映像は、来場者が立ち止まって見入る魅力的な要素となりました。
ブースでのVR展示は、訪問者を引きつける効果的な方法です。
メタバースのVR動画の作成手順
ここでは、VR動画の作成手順について、簡単に説明します。
VR動画を作成するためには、映像を360度撮影できるカメラが必要です。近年では360度の撮影に対応したカメラが増えてきていて、リーズナブルな価格で購入することもできます。
撮影した動画は、ビデオ・スティッチングという編集作業でVR動画を作成していきます。これは、複数の映像をつなぎ合わせる作業です。この編集作業には、360度動画に対応した編集ソフトが必要になります。
その後、映像をつなぐ位置、明るさ、揺れなどを調整し、快適に視聴できる形にしていきます。
動画が完成したら、エンコードの処理を行います。
エンコードの形式はアップロードする環境によって異なるため、対応する形式でエンコードを行いましょう。
メタバースのVR動画の今後の活用に期待!
ここまで、メタバースなどで活用されているVR動画について解説しました。
この記事の内容は、以下の通りです。
- メタバースとは?
- メタバースのVR動画とは?
- VR動画の仕組みについて
- 立体視
- 顔を向けた方向を見ることができる
- 音の方向がわかる
- メタバースのVR動画のメリットについて
- リアリティがある体験ができる
- 視聴時間が長い
- 自然な流入が可能
- メタバースのVR動画の活用方法
- 商品のプロモーション
- 研修やトレーニング
- 学校教育
- メタバースのVR動画の作成手順
現在、さまざまな分野でVR動画の活用が進んでいます。VR動画では、視聴者がリアリティのある体験ができるため、商品のプロモーションなどでより高い効果が期待できます。
VR動画は効果が高いため、今後もさらなる活用が進むことが期待されます。
▼参考文献一覧
- Meta Questの「YouTube VR 」| Quest VRゲーム | Meta Store
- VR SQUARE (livr.jp)
- 日本経済新聞 VRアプリ|日経VR (nikkei.co.jp)
- ホームスター | YouTube
- [VR安全教育] 労災再現VRプロモーション動画
- VR YARIS with Morizo 3D(日本語版) (youtube.com)
- 河北郡市観光PR用VR動画 – YouTube
- Japan Mobility Show 2023 Auto VRブースのご紹介!【東7 E7106】