メタバースのスポーツへの活用方法とは?メリットと活用事例6選についても紹介!
近年注目されているメタバースは、さまざまな分野での活用が期待されています。
そんなメタバースの活用の一つとしてスポーツ業界があります。
この記事では、メタバースのスポーツ業界での活用方法と実例について紹介します。
メタバースとは?
メタバースとは、オンライン上に構築された3次元の仮想空間内で人々がさまざまな活動を行うことができる仕組みです。
メタバースでは、ユーザーはアバターという自身の分身を使ってメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションをとったりすることができます。
メタバースには、スマートフォンやPCからアクセスができますが、Meta QuestのようなHMDを利用することで、より没入感が高い体験が可能です。
メタバースについて詳しく知りたい方は以下の記事を参照下さい。
メタバースのスポーツへの活用方法について
メタバースのスポーツ業界への活用には、さまざまなものがあります。
ここでは、この活用方法について紹介します。
プロモーションに活用
メタバースはスポーツのプロモーションに活用できます。
例えば、メタバース上でプロスポーツチームのブランドやコンテンツを用いたイベントを開催したり、ブランド独自のメタバース空間を構築することで、プロモーションを行うことができます。
メタバースでは3D空間でプロモーションができるため、従来の2Dのデジタルコンテンツのプロモーションと比較して、より没入感がある体験を通じたプロモーションができるため、より高い訴求効果が期待できます。
仮想空間でファンコミュニティを構築
メタバースでは、仮想空間内でユーザー同士がアバターを通じてコミュニケーションをとるのが特徴です。
そのため、メタバースを活用することでファン同士がつながり、新たなファンコミュニティを構築することができます。
すでにオンライン上のファンコミュニティは存在しますが、3D空間内でアバターでコミュニケーションをとることで、現実の交流に近い形を実現できるため、より強固なファンコミュニティが構築できると期待されています。
新たなスポーツの観戦スタイルを提供
メタバースの仮想空間内では、スポーツ観戦も可能です。
例えば、メタバース上でパブリックビューイングを実施することで、自宅から他のファンと一体になって観戦することができます。また、現地で観戦している観客に対しては、ARを活用することで選手や試合のデータなどを確認しながら観戦できるため、これまでよりも試合を楽しむことができます。
このように、メタバースでスポーツ観戦を行うことで、新たな観戦スタイルを提供できます。
トレーニングの質の向上
メタバースのスポーツへの活用は、観客以外にもメリットがあります。
例えば、選手や審判がメタバース内でトレーニングコンテンツを利用することで、従来よりも高い臨場感で実践的なトレーニングが可能です。
また、メタバースでは試合中の特定のシチュエーションを再現できるため、何度でもトレーニングができます。
近年では、スポーツでのデータの活用が進んでいますが、これらのデータを基にして、メタバースでのトレーニングも発展していくと予想されます。
NFTの販売
メタバースでは、NFTの販売も可能です。
例えば、メタバース空間にアクセスする権利を特典としてNFTを販売することで、新たな収益源の獲得や顧客のエンゲージメント向上に繋げることができます。
メタバースのスポーツへの活用のメリット
ここでは、メタバースのスポーツへの活用のメリットについて解説します。
チームにとってのメリット
まずは、チームにとってのメリットを紹介します。
チームがメタバースを活用することで、新たなファンを獲得したり、ファンとのつながりを強化できる可能性があります。
メタバースでのスポーツ観戦は、現地で観戦するようにも気軽に参加できるため、これまで競技やチームにあまり興味がなかった人にも気軽に観戦してもらうことで、新たなファンの獲得が期待できます。
実際に、サッカー日本代表がメタバースでの観戦を実施したところ、日本代表初観戦の方が約8割を占めるという結果になりました。
また、NFTを組み合わせることで、新たなビジネス展開も期待できます。
例えば、メタバース上での選手との交流イベントやアバター用ユニフォームの販売など、NFTで販売することで収益性が高いビジネスを展開できます。
ファンにとってのメリット
ファンにとってのメリットは、オンラインで現地にいるような臨場感がある観戦ができる点です。
パブリックビューイングやスポーツバーは人気がありますが、スポーツ観戦はリアルタイムでファン同士が一体となって盛り上がることに意味があります。
メタバースを活用すると、自宅にいながら現地にいるような臨場感があるコミュニケーションがとれるため、スポーツとは相性が良いと言えます。
現在はSNSなどを利用しながらスポーツ中継を楽しむ方が増えていますが、メタバースが普及することでメタバース内でのスポーツ観戦が広まるでしょう。
メタバースのスポーツへの活用事例6選
ここからは、実際にメタバースをスポーツに活用した事例を紹介します。
事例①マンチェスターシティ
イギリスのプロサッカークラブのマンチェスターシティは、ホームスタジアムのエティハドスタジアムをメタバース上に構築しています。
ファンはアバターでこのメタバースを訪れることで、選手やチームを身近に感じながら、ファン同士でコミュニケーションをとることができます。
マンチェスターシティは、バーチャルを融合した新たなスポーツエンターテイメントの構築と、特定のチームの選手やファンだけでなく、リーグ全体のファンの繋がりの創出を実現したいとしています。
事例②ソフトバンクホークス
福岡ソフトバンクホークスは、ホーム球場のPayPayドームをメタバース上に再現し、さまざまなコンテンツが楽しめるサービスを提供しています。
このバーチャルPayPayドームには、スマートフォンやPCからアクセス可能で、ユニフォームを着たアバターで観戦席から飲食店ブース、普段は入ることができない選手のロッカールームなど、球場内のさまざまな施設を見学できます。
他にも、プロが投げた玉をほぼリアルタイムで疑似体験できる機能もあり、バッターやキャッチャーの視点から、リアルタイムに投じられたボールを体感することができます。
事例③KDDI
引用元:https://www.jfa.jp/samuraiblue/news/00033574/
KDDIは、メタバース上でのサッカー日本代表戦のパブリックビューイングを開催しました。
参加者は日本代表のユニフォームを着たアバターで試合の中継スクリーンの前に集まり、一体となって応援したり、YouTuberのトークイベントを楽しむことができました。
このイベントは延べ約3万人が集まり、来場者の約8割が日本代表戦を初めて観戦した方となっていて、ファン層拡大に繋がったとしています。
事例④NBA
プロバスケットボールリーグのNBAでは、審判員の教育のためにVRを導入しています。
審判は複数の選手が激しく交錯する環境で瞬時に判断を下す必要がありますが、現実で再現することは困難です。
メタバースえあれば、さまざまな状況を再現することが可能で、さまざまな選手の視点でプレイをスロー再生したり、過去の試合の特定のシーンに入り込むといったこともできます。
事例⑤アディダス
アディダスでは、ブランド初のNFTコレクションである「Into The Metaverse」をリリースすることで、メタバースに参入しています。
このNFTは3万点販売されましたが既に完売し、総売り上げは約26億円に上りました。
このNFTの購入者には、adidas Originalに関する限定の体験や、NFTゲーム「The Sandbox」などで使用できるバーチャル上の着せ替えなどを入手できます。
事例⑥MLB
MLBでは、各球団が構築したメタバースを「没入型デジタルツイン」としてネットワーク化し、MLB独自のメタバース空間に一元化しました。
これにより、試合の視聴や商品の購入などをメタバースで行うことができます。
メタバース空間内で設置される看板などの広告や販売されるNFT、メタバース球場の一部の土地の不動産取引から利益を得ることができます。
メタバースの今後のスポーツへの展開に期待!
ここまで、メタバースのスポーツ業務への活用と事例について紹介しました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- メタバースは仮想空間内でコミュニケーションをとるためスポーツ観戦と相性が良い
- メタバースは新たなファンコミュニティの構築につながる
- メタバースでは場所に関係なくスポーツ観戦が可能で、ファンと一体となって応援できる
- メタバースはファンだけでなくチーム側にもメリットがある
メタバースのスポーツへの展開は、チーム側も新たなビジネスにつなげることができるなどメリットが多く、今後発展してくことが予想されます。