メタバースの音楽業界での活用方法と活用事例7選を紹介!
近年注目されているメタバースですが、現在ではさまざまな分野で活用されています。
メタバースは、音楽業界との相性が良く、ソニーミュージックやエイベックスなどの大手企業も参入しています。
この記事では、メタバースの音楽業界での活用方法と活用事例について解説します。
メタバースとは?
メタバースは、オンライン上の3次元の仮想空間で多くのユーザーがさまざまな活動ができる仕組みです。
メタバースの語源は、「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語と言われています。
メタバースでは、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションを取るなどの活動を行います。
ユーザーが集まってコミュニケーションを取るだけでなく、イベントやスポーツ、買い物をすることも可能です。
メタバースの音楽業界での活用方法について
ここでは、メタバースの音楽業界での活用方法について解説します。
メタバース上での宣伝
メタバースの音楽業界での活用としては、メタバース上でのアーティストやレーベルの宣伝が挙げられます。
既存のメタバースプラットフォーム内に自社のブースを設営することで、アーティストやレーベルの宣伝が可能です。
宣伝については、テレビやネットですでに行っていますが、従来の宣伝とメタバース上の宣伝の大きな違いとしては、ユーザーに対して3次元空間内でインタラクションを交えた体験を設計できることです。
そのため、従来は各ブランドがリアルで開催していたイベントや、リアルでは実現が難しい体験を設計することで、ブランドの世界観を体験してもらうことができます。
VRを活用したライブイベント
メタバースの活用方法としては、VRを活用したライブイベントがあります。
メタバース上でライブイベントを開催することで、実際にライブ会場を訪れているかのような体験が可能です。
来場者はスマートフォンやPCから参加可能で、さらにMetaQuestなどのHMDを使用することで、より没入感がある体験ができます。
VRライブイベントでは、従来のライブイベントよりも没入感が得られるというメリットがあります。また、現実では実現できない演出もメタバース上なら可能です。
他にも、従来ではライブ会場が遠方であるため参加できなかったユーザーの参加も期待できます。
また、ライブイベントに特化したメタバースプラットフォームも既に登場しており、今後最も活用が進むと考えられています。
メタバース上でのコンテンツ販売
メタバースの音楽業界での活用としては、メタバース上でのコンテンツ販売があります。
メタバースの普及がさらに進み、メタバース上で活動することが当たり前のようになると、メタバース上のアバターの洋服やコレクションアイテムなどの価値が高まると予想されます。そのため、従来のアーティストのグッズなどもメタバースに移行していくものと予想されています。
メタバース上のデジタルコンテンツは、製造や販売のコストが小さいことから、ビジネス目線から見ても魅力的な活用方法と言えます。
音楽業界でのメタバースの活用事例7選
ここからは、音楽業界でのメタバースの活用事例について紹介します。
事例①ソニーミュージック
引用元:https://revers3x.net/
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズでは、新たな仮想空間プロジェクトとして「ReVers3:x(リバースクロス)」の始動を発表しています。
「ReVers3:x」では、独自に制作した仮想空間を舞台にして、さまざまなアーティストのライブを楽しむことができます。「ReVers3:x」の第1弾としては、ラッパーのKEIJUのライブが配信されました。
このライブでは、仮想空間上に作られた東京のストリートに設置されたステージ上に、デジタルアーティストによるアートが配置され、音楽だけでなく空間としても楽しめるコンテンツとなっています。
事例②エイベックス
引用元:https://avex-technologies.com/
エイベックス・テクノロジーズは、The Sandboxとパートナーシップを構築し、アーティストとファンが仮想空間上で交流できるテーマパークである「エイベックスランド(仮称)」をオープンすると発表しました。
エイベックスランドでは、アーティストのライブ配信やファンミーティングの実施、NFTアイテムの販売などが検討されています。
これらに先駆けて、アーティストのNFTアイテムなどをセットにしたプレミアムLANDを2022年3月3日に販売しました。
事例③ぴあ
引用元:https://neo-me.jp/
ぴあ株式会社は、バーチャルライブプラットフォームの「NeoMe」(ネオミー)をスマートフォンアプリとして提供しています。
「NeoMe」は、ユーザーが仮想空間にアバターとして参加し、バーチャルライブやユーザー同士の交流、アバターのコーディネートを楽しむことができます。
ぴあは、「NeoMe」を通じて次世代を担う若手パフォーマーに対して、バーチャルを起点とした新たな表現や活動の場を提供しています。
ユーザーやファンは、同じ趣味の人とつながる場を提供し、パフォーマーとユーザーの新たなコミュニティづくりを支援します。
事例④REALITY
引用元:https://reality.app/
REALITYは、アバターを用いたライブ配信などを行うメタバースプラットフォームです。
REALITYでは、自分だけのオリジナルのアバターを作成し、モーションキャプチャー技術を用いたリアルなライブ配信で視聴者とコミュニケーションを取ったり、アバターが受け取るギフトでマネタイズするといったことができます。
また、法人向けに3DCGとXR技術を活用したXRクラウド事業「REALITY XR」も展開しています。
事例⑤VARK
引用元:https://vark.co.jp/
VARKは、メタバース上で現実と同じようにライブイベントを楽しむことができるアプリケーションです。
VARK上では、決まった時間にさまざまなイベントが開催されていて、誰でも参加することができます。
そのイベントに「いる」アーティストのライブを、一体感を感じながら楽しむことができるのが特徴です。
「目の前で歌う」「一瞬で世界が変わる」といった、バーチャルの可能性を活用した最高の体験を提供することを目指しています。
事例⑥サンリオバーチャルフェス
引用元:https://v-fes.sanrio.co.jp/
サンリオバーチャルフェスは、メタバース上で開催された、リアル・バーチャルのアーティストが総勢52組が集まった大型ライブイベントです。
アーティストは、現実で活動しているアーティストから、Vtuber、VRChat上で活動するアーティストまで、幅広いジャンルのアーティストが集まっています。
ユーザーが求めるものを実現するために、企業や団体の垣根を超えたコラボレーションとなっていて、今後のメタバース市場の盛り上がりにつながると期待されています。
事例⑦阪急阪神HD
引用元:https://www.hhcross.hankyu-hanshin.jp/events/jm_umeda/
阪神阪急HDは、メタバース上での「JM梅田ミュージックフェス」という音楽フェスを開催しました。
JM梅田ミュージックフェスは、大阪・梅田の街を忠実に再現したメタバース空間上で実施されるオンライン音楽祭です。
このイベントでは、メタバース空間の大阪梅田を舞台として、VTuber等のバーチャルキャラクターによる音楽フェスが実施されました。
来場者はアバターで参加し、コンサートの参加、グッズ販売などのコンテンツや、バーチャルな梅田を高い没入感で体感できます。
音楽フェスには30名を超えるバーチャルアーティストが参加し、来場者数は8万人以上を記録しました。
メタバースの音楽業界への今後の期待!
ここまで、メタバースの音楽業界での活用方法や実際の活用事例について紹介しました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- メタバースの音楽業界の活用には、アーティスト・レーベルの宣伝、ライブイベントの開催、デジタルコンテンツの販売などがある
- メタバースのライブイベントには、没入感が高い体験ができる、ライブ会場に行けないユーザーも参加できるなどのメリットがある
- ユーザー同士が交流しやすいため、ファン同士でコミュニケーションが取りやすい
メタバースは、アーティストとしてもメリットが多いことから、音楽業界のメタバースの活用はさらに発展するものと予想されます。