メタバースを活用した観光のメリット・デメリットや活用事例3選も紹介
近年、コロナ禍の影響から、さまざまな分野で充実したオンラインサービスを受けることが可能です。
観光業界においては、VR技術を用いたメタバース空間での観光などを体験できます。
本記事では、メタバースを活用した観光のメリット・デメリットや導入事例を紹介します。
メタバース観光とは?
メタバース観光とは、インターネット上に作られた3次元の仮想空間「メタバース」を活用したバーチャルな観光体験のことです。
利用者は、現地に出向くことなく、メタバース空間内で実際に観光に訪れたかのようなリアルな体験ができます。
オンライン環境が整っていれば、世界中のだれもがどこからでも自由にアクセスができるのが魅力でしょう。
目的地が遠方だったり、何らかの理由で実際に観光することが難しい場合でも、メタバース観光を利用することで気軽に観光気分・観光体験を味わえるとあって注目されているサービスです。
メタバースは、旅行・観光業界と相性がよいと言われており、イベントや交流、購買活動などもできるため、国内外問わずメタバースを活用した取り組みが増えてきています。
メタバース観光のメリット
観光業にメタバースを活用することで、企業側にも利用者にも様々なメリットが生まれてきます。
メリットをまとめると次のとおりです。
- だれでもどこからでもアクセスできる
- リアルで新しい体験ができる
- 不可能な観光を可能にできる
- 新たなマーケットを構築できる
1つずつ見ていきましょう。
1. だれでもどこからでもアクセスできる
まず、メタバースの大きな魅力は、インターネットが使用できる環境さえあれば、世界中のどこにいても誰でもアクセスできることです。
遠方だから、交通手段が不便だから、という理由であきらめていた観光地も、メタバース空間であれば、距離や移動時間、交通費などを気にせずに現実に近い観光体験ができます。
2. リアルで新しい体験ができる
最近では、観光や旅行のプロモーションは動画が一般的で、旅番組を見るような感覚で現地の雰囲気を感じとれます。
それに加え、メタバースを活用した観光であれば、実際にアバターを使って自らの意思で行きたいところに移動できるため、受け身ではない能動的な体験が可能です。
また、アバター同士のコミュニケーションも可能なので、参加者同士や現地の人々との交流もでき、現地を訪れたかのようなリアルな体験ができます。
そうした交流を切っ掛けとして、実際に現地に出向くといった行動にも繋がり、観光地への集客が期待できるでしょう。
3. 不可能な観光を可能にできる
メタバース観光では、実際の現地では難しい観光や、不可能な観光が実現できることも大きな魅力です。
例えば、通常では簡単に見られない展示品も間近で見ることができたり、一般的には立ち入れない世界遺産などもメタバース上であれば観光することが可能です。
また、現実的には人が立ち入れない危険が伴う場所でも案内できるため、上空からの観光や危険生物がいる状況など、実際には不可能なことも楽しめるでしょう。
2. 新たなマーケットを構築できる
メタバース観光であれば、費用の面で、交通費や宿泊費、ツアー代などがかからないため、現実の観光よりもリーズナブルで気軽に参加できます。
その分、利用者は、メタバース内でのオンラインショップで各地の名産品を購入したり、イベントに参加したりといった楽しみに費用をまわせるでしょう。
企業側は、名産品を売る魅力的なECサイトの設置や、地域の特徴を生かした限定イベントなど、新たなマーケティングに取り組むことで、観光地の魅力を伝えながら経済活動を行うことができます。
メタバース観光のデメリット
たくさんのメリットを持っているメタバース観光ですが、当然デメリットも存在します。
メタバースはまだまだ発展途上の分野なので、今後は新たな問題点が生じたり、逆に解決したりということもあるでしょう。
現在考えられる主なデメリットをまとめると次のとおりです。
- 導入の初期費用がかかる
- 操作が難しい
- 継続的な運用の必要がある
1つずつ見ていきましょう。
1. 導入の初期費用がかかる
まず、一番のデメリットは、メタバースを導入するにあたってコストがかかることです。
新たな分野であると同時に、高額なVR機器やパソコンを買い揃えなくてはならない場合があります。
しかし、最低限の必要なものを揃えるためのだいたいの予算を決め、下調べをしっかりと行えば、ある程度コストを抑えることも可能です。
また、一度導入してしまえば、そのあとはさまざまな活用が可能になるため、長期的に活用していく計画があるのであれば、ある程度の初期費用は必要なものと考えましょう。
2. 操作が難しい
人によっては、操作が難しいと感じることもあるため、導入に踏み切れずに終わってしまうこともあるでしょう。
そうした場合のために、ほとんどのプラットフォームが初心者向けのサポートサービスを用意しています。
サポートサービスが充実していれば、利用者も安心して解決できるでしょう。
また、コミュニティを利用することで他のユーザーからのアドバイスをもらうことも可能です。
3. 継続的な運用の必要がある
メタバースだけではなくすべての分野において言えることですが、導入後の運用の仕方は重要なポイントです。
メタバースにたくさんの人が集まれば集まるほど、多種多様なニーズが生まれてきます。
企業側は、利用者がより楽しめるコンテンツを制作したり、交流の場を盛り上げる仕掛けを作るなど、プロモーション活動が常々必須になります。
メタバースを活用した観光の導入事例3選
ここでは、メタバース観光の導入事例を3選紹介します。
まとめると次のとおりです。
- バーチャル大阪
- バーチャル沖縄
- NAKED GARDEN
1つずつ詳しく見ていきましょう。
1. バーチャル大阪
「バーチャル大阪」は、2025年に開催予定の大阪・関西万博に先駆けて、大阪市の魅力を国内外に向けて発信するために誕生した都市連動型のメタバースです。
大阪の都市の魅力を余すところなく伝えるとともに、様々な文化創出やコミュニティ形成に貢献することを目的としています。
例えば、「新市街エリア」は、道頓堀や大阪城、海遊館といった大阪市の魅力を表現した代表的なスポットの観光を楽しめる空間です。
「今昔街エリア」では、大阪の歴史や文化を伝える観心寺や金剛寺をモチーフとした寺社仏閣などをまわれます。
この取り組みは、リアルとバーチャルの両極を繋いで大阪に新しい魅力と変化を促しており、大阪の発展に大きく貢献することでしょう。
大阪・関西万博に向けたPR活動も積極的に行っており、新エリアやコンテンツも随時アップされています。
2. バーチャル沖縄
「バーチャル沖縄」は、沖縄の有名な観光スポットを再現したメタバース上の沖縄です。
国際通りやビーチ、首里城など、沖縄を象徴するスポットを実際に観光しているかのようなリアルな体験ができます。
メタバース内では、参加者同士がアバターを使って一緒に記念撮影をしたりラジオ体操をしたりと、コミュニケーションの場として利用することも可能です。
また、オンラインショップも導入されているのでメタバース内で沖縄でのショッピングも楽しめ、実際に国際通りのショップスタッフの声を聞くこともできるのも大きな魅力でしょう。
3. NAKED GARDEN
「NAKED GARDEN」は、数多くのデジタルアートを手掛けている株式会社ネイキッドと京都・宇治・大津の各市が協力して開催している新しい次世代型アートプロジェクトです。
現地京都でのリアル体験とメタバース空間での仮装体験をクロスオーバーさせたプロジェクトは、実際の観光の推進にも大きく貢献しています。
また、リアルでは、京都の様々な名所で参加型アートが楽しめたり、メタバース上では、アバターをモデルにした着物でのファッションショーがあったりと、音と光、映像などの多種多様な文化交流の場としても、新たな創造や発展が期待されています。
サポートパートナー企業には、株式会社三菱UFJ銀行や、株式会社サイバーエージェントなどを迎え、今後の展開が楽しみな大型プロジェクトです。
メタバース観光は幅広い需要とビジネスチャンスがある!
いかがでしたか?
メタバースを観光に活用するメリット・デメリットや導入事例などを紹介しました。
本記事の内容で大切なことをまとめると次のとおりです。
- メタバース観光とは、インターネット上に作られた3次元の仮想空間「メタバース」を活用したバーチャルな観光体験のこと
- メタバース観光のメリットは4つ
- だれでもどこからでもアクセスできる
- リアルで新しい体験ができる
- 不可能な観光を可能にできる
- 新たなマーケットを構築できる
- デメリットは3つ
- 導入の初期費用がかかる
- 操作が難しい
- 継続的な運用の必要がある
- メタバースを活用した観光の導入事例は「バーチャル大阪」「バーチャル沖縄」など
直接現地に訪れることが難しい場所であっても、メタバース上であれば簡単にアクセスでき、現実世界のようなリアルな観光体験が可能です。
どこにいても、だれもが手軽にワクワク感を得られるメタバース観光は、今後もますますの需要とビジネスチャンスが期待できる分野でしょう。