【誰もがゲームクリエイターになれる時代に!?】次世代RPG制作ツール「Pegasus World Kit」の魅力を開発責任者に直接聞いてみた | JPGAMES株式会社インタビューVol.2
ゲーム業界は、技術革新とクリエイティビティがユーザーから求められる競争力の激しい世界です。
JPGAMES株式会社は、この業界において注目すべき存在として類まれなる表現力と技術力で多くの企業やユーザーにインスピレーションを与えています。創業者である田畑氏は、スクウェア・エニックス在籍時に「ファイナルファンタジーXV(FF15)」のプロジェクトを率いたことで知られています。
FF15は、美麗なグラフィックと緻密なストーリーテリング、革新的なゲームプレイで多くのプレイヤーを魅了し、全世界で高く評価されました。
JPGAMESの技術力と創造力は、すでに多くのプロジェクトで発揮されており、ANAとのコラボレーションでは、ANAのリアルな航空機内や空港施設を再現したVR体験を提供することで、自宅にいながらにしてリアルな旅行気分を味わえる新しいサービスを展開しました。
さらに、JPGAMESは未来のデジタルエコノミーを見据え、大手企業やメガバンクとの連携によるジャパンメタバース経済圏(JMEZ)の構築にも積極的に取り組んでいます。
オンラインコミュニケーションや働き方が変化する中で、メタバースは新しい可能性を生み出しています。
ローカルスクエアは、簡単に活用できる2Dメタバース「ZEP」を提供しています。
ZEPのサービス概要資料を無料でダウンロードして、その活用事例やメリットをぜひチェックしてみてください。
>>サービス概要資料をダウンロードする
はじめに
今回のインタビューでは、JPGAMES株式会社が開発した「Pegasus World Kit」について深掘りします。
このツールは、Unreal Engineを活用したRPG開発をより身近なものにするためのもので、多くのゲームクリエイターにとって非常に魅力的なソリューションとなっています。
私たちは、Pegasus World Kitがどのようにして生まれ、どのような影響を与えているのか、そして未来に向けたビジョンについてJPGAMES株式会社取締役の和智氏、Pegasus World Kit開発責任者である那須氏の2名から直接お話をお伺いしました。
会社概要について詳しく知りたい方は、【大手企業やメガバンクも続々と参画!】JP UNIVERSEが描く次世代ゲームとメタバース経済圏について | JP UNIVERSE株式会社インタビューVol.1についてをご覧ください。
インタビュー
金川
和智さん、那須さん、よろしくお願い致します。
和智さん、那須さん
JPGAMES株式会社の和智と申します。那須と申します。
金川
前回のインタビューでは会社概要やビジョンについて詳しくお伺いしました。今回は御社が力を入れている「Pegasus World Kit」についてお伺いできますでしょうか?
和智さん
はい、JPGAMESは、元々FF15(ファイナルファンタジー15)のプロデューサーの田畑が「RPGを進化させるゲーム会社」という理念で2019年に設立した会社です。
この理念を実現するための事業として「Pegasus World Kit」というツールを弊社では提供しています。
Pegasus World Kitについて
Pegasus World Kit(以下PWKと表記します)の構造は、サーバークライアント型のミドルウェアです。
クライアントソフトは、Unreal Engineを使って提供されています。基本的なメタバースの機能を実現するクライアントコードとサーバーとの通信のAPI群で構成されています。描画についてはその多くをUnreal Engineの機能を使っています。
このような作りは他社のメタバースのソフトと近い作りになっていると思いますが、それらの多くのソフトはUnityで作られています。前回お話したように、我々の目指すメタバースでは高精細とリアリティを求めており、その結果Unreal Engineに落ち着いたということです。
Pegasus World Kitでできること
和智さん
PWKを使って作ったワールドがありますので、早速ログインしてみましょう。
まずはアカウントを作成していきます。肌や髪の色、キャラクターなど柔軟に変更が可能です。
PWKの特徴として、様々なアバターのフォーマットを使用することが可能になっています。異なるタイプのフォーマットでも一つのモーションで制御できるようになっています。
例えば、サンプルであるリアル調なモデルも、VTuberの多くが使っているようなVRM形式のモデルも、一つのモーションで対応することができます。このように、多様なフォーマットを一つのシステムで制御することで、柔軟な対応が可能です。
これにより様々なメタバースからのデータを受け入れることが可能になっています。
金川
どんなキャラクターでもログインできるのは非常に柔軟性が高くて良いですね。自分で作ったアバターでこの空間を歩いてみたくなります。ジャンプもあるんですね。
和智さん
なぜジャンプが必要なんだって気がするんですけどしたくなりますよね。でも会社さんによってはいらないという声もあります(笑)
では、初期設定も終わりましたのでサンプルワールドにログインします。
金川
すごい、世界観がリアルですね!
和智さん
今お見せしているのは、我々がサンプルメタバースと呼んでいるもので、Pegasus World Kitといってもお客様から「何ができるか分からない」というご意見があったので、各機能を実装したものをサンプルとして提供しています。
このサンプル群をベースに拡張、カスタマイズすることによって、各企業様が望むメタバース空間を構築することができ、現在「Own World(オウンワールド)」というサービス名称で展開しています。
基本機能が揃っているので、レゴのようにワールドを作っていけます。
例えば、パラメータ加算減算という、RPGではよく経験値を上げたり能力を上げたりスタミナが減ったりしますが、そういう機能があります。これを触るとデモができます。
このエリアチャットでは、その中に入った人だけしか聞こえません。テキストチャットとボイスチャットは当然実装されていてモーションの部分をエモートで選べてアバターはその行動をします。
他のコミュニケーション表現はスタンプや感情表現、ボイステキストなどもあります。
那須さん
こちらはパーティー会場のデモですね。チケットを買わないと入れない仕様で実装しています。企業の懇親会や、出会い系のイベント用の婚活パーティーなんかもできますね。
和智さん
お次はライブセミナー会場に行きましょう。
こちらの会場についてはサンプルで提供しているのでこのまま使っていただいてもいいですし、企業向けにカスタマイズして作っていただけます。PWKとして、動画配信のシステムを持っているのでライブセミナーを行うことも出来ます。zoomをアバターを使って行うようなイメージですね。
企業さんの需要を聞いてみると、セミナーって結構一方通行でその後で参加者自体で交流したいという需要があるようです。なので、こういうところでセミナーを開けて、あとは先ほどお見せしたパーティ会場のような所でアバターを通じてコミュニケーションをしてもらう事がソリューションになると思っています。
金川
アバターで会話を進めることでオンラインながらも偶発的な出会いやzoomにはない自由な情報交流が行えるのが魅力的ですね。
和智さん
あとはゲーム内アイテムのショップと、リアルEC機能についてもご説明します。
基本的にはクレジットカードとApple、Googleの課金システムにつながっているのでここに情報を入れていただければ外部のECサイトと連携して決済が出来ます。
金川
決済についてはどれくらい対応されているのでしょうか?
和智さん
システムとしてはGoogleのストア、Appleのストア課金、あとはクレジットカードに対応しています。
金川
ほとんどの決済に対応しているということですね。
和智さん
そうですね。iTunesカードにも対応してるかと言ったらそうでも無いのですが、アプリのストア課金には対応しています。
では、スタジアムに入ります。ここでは、VTuberによるライブなどでディスプレイにドカーンと映像を映してパフォーマンスをするということが可能です。
金川
臨場感がありますね。企業がライブセミナーなどを開催する場合はこの会場をお貸ししているのでしょうか?
和智さん
はい、サンプルのこの素材についてはご提供しています。勿論このステージ素材でなくても大丈夫です。
企業さんが好きなアセットを持ってきてもいいです。無ければ弊社の方にご依頼いただけますし、専用のものを作ることもできます。
これは展示会場の例です。
屋内展示をこのように構成して、各企業のブースを配置し、来場者が商談を行う場としてご提案しています。
PCで表示すると非常に綺麗に見えますが、スマートフォンにも対応しています。スマートフォンの場合は、表示のグレードを少し落としてアセットを調整することで、スムーズに利用できるようにしています。
この展示会場の例は、PCとスマートフォンの両方に対応し、ユーザーのデバイスに合わせて最適な表示を提供することを目指しています。
こうした取り組みを通じて、来場者が快適に商談を行える環境を提供しています。
写真からメタバースを簡易的に作れるRIVテクノロジー
和智さん
今までは3Dの メタバース空間をお見せしてきましたが、どうしても開発コストがかかってしまいます。
そこでPWKの持っている技術の一つに、360度カメラの画像を使って写真から比較的簡易にメタバース空間を創れる技術があります。我々は「RIVテクノロジー」と呼んでいます。
金川
写真から!?すごく時短になりそうな予感がしますね。
和智さん
青く光っているところで360°をぐるっと周回させてスムーズに繋げることによって、メタバース空間を簡易的に作ることができます。要するに GoogleMapの中が自由自在に歩き回れるようなイメージです。
しかもキャラクターに影をつけているので本当にその場にいるかのような臨場感がありますよね。このように好きに動き回れます。
金川
すごい、写真でつなぎ合わせているとは思えないですね。背景とアバターの距離感もまるで現実を歩いているようです。
那須さん
そうです。光のデータとかも写真で撮っていて、この中で再現しています。影のところに行くと影が落ちるとか、そういう部分がゲームの技術なんですよね。
FFチームはフォトリアルな絵を作るのが得意で、その技術がそのままここに応用されています。やっぱりライティング、光の計算がリアルだと写真の中でもキャラクターが馴染むのです。
金川
なるほど、それでより自然な形になっているんですね。
那須さん
はい、動いているアバターに全く影がなくて真っ白のままだったらちょっと気持ち悪いですよね。
空間に存在しているという臨場感を出すために足のところにもしっかり影が出ています。
こういう技術を使って、なるべくポリゴンで作らずにコストを抑えて、モデル空間を作るということが可能なのです。
これは表参道ヒルズですね。
金川
すごい、これもRIVテクノロジーで作成しているのでしょうか?まるで現実の中にいるかのようです。
那須さん
はい、実際に中の店舗に入って買い物をすることも出来ます。
金川
この技術は、動画をそのまま読み込んであるんですか?
那須さん
これはどちらかというと舞台だと思ってもらうと分かりやすいかと思います。舞台みたいに壁があります。今、キャラクターが歩いていてドカンとぶつかったところが壁なんです。
和智さん
この他にもPWKでは面白い技術がまだあります。また、デジタルデータって結構企業が保有しているんですよね。我々はそれを有効活用できないかと考えています。
例えば、BIMデータです。最近ほとんどの建築物はBIMデータを使っていると聞いています。
※BIM(Building Information Modeling)とは、建物やインフラプロジェクトの設計、建設、運用に関するデジタル情報を生成し、管理するプロセス。
単なる3Dモデル以上のものであり、設計や施工、運用に必要なすべての情報を統合するデータベースのような役割を果たしています。
BIMデータ自体は構造データなんですが、そこにテクスチャーの質感などを加えることによって、建てる前にここまで再現することができます。例えば、需要としては建築の会社さんが、施主さんと図面を見ながらこれが良い、あれが違うなどと再現できるというところがあります。
実際にアバターで歩いて、ちょっとこれ違うねとか、設計図面上である程度最終形が予測できます。そうすることで後でこうじゃなかったみたいなことは言われません。
金川
認識の差異をこれで潰せるということですね。画期的です。内装会社が依頼主に見せるパースも画像ではなく、この技術がスタンダードになっていきそうですね。
和智さん
はい、図面上だとわからないけど、だいたい完成予想図を具体的にしている。なのでショールームとかにも使えますし、こういう大型の建物もできるということです。
もちろんデジタルデータなので中でちょっとゲームチックなこともできます。いわゆるデジタルツインのようなものを再現することができます。
他に同じく、企業が保有しているデータの一例として、服の型紙もデジタル化されていることも多く、それをPWKに載せてアバターに着せることが出来ます。
需要として、例えばリアルで服を買ったらデジタルデータがついてきて、それを自分のデジタルワールド、自分の背格好のアバターに着せてみて「こんな風になるなー、どんな服を持っているのかなー」とかバージョン試着的なものを試着できるわけです。
この他にも、我々としては、前述した企業さん独自のメタバースを構築する「Own World」に既に企業さんの保有している技術を掛け合わせたサービスも模索しています。
金川
それは興味深いです。具体的な事例などはありますか?
和智さん
具体的な企業さんの取り組みについては、TOPPAN様の社内イベントでご一緒した実例があります。
その中のエキシビジョンで、このPWKを使ってゲームをやりたいという話を頂きました。
この取り組みの中で、TOPPAN様の方で持っている写真からアバターを生成する「メタクローン」という技術があり、それを掛け合わせたプロジェクトです。
こちら登場頂いているのはTOPPAN様の役員の方々です。
金川
すごいリアルですね。役員の方たちが剣士に変身している(笑)。
和智さん
ゲーム自体はシンプルなジャンケンなのですが、それに最先端のゲーム演出を加えています従業員の方々がオンラインで応援できるようにもしています。
金川
エフェクトがいいですね。役員の方が出るっていうのがまたお洒落(笑)。絶対盛り上がりますよねこれ。
和智さん
こういうゲームフィケーションを使って、単純に「ゲーム」でもなくて、「メタバース」でもなくて、産業利用として活用する方法を我々は産業メタバースと呼んでいます。
金川
非常に参考になります。PegasusWorldKitでできることの理解が進んできました。
ゲームの世界観をそのまま企業の課題解決に横展開できるかというと、ゲームに慣れ親しんだ人にはわかるかもしれませんが、あまり使ったことがない人には難しいこともあります。
より幅広い方に使っていただくために、どのような工夫をされているのか教えていただけますか?
和智さん
現在も開発中ですが、操作の簡略化に向けてAIを活用することを考えています。AIがサポートすることで、複雑な操作を簡単にすることが可能です。
例えば、特定のデバイスがなくても操作できるようにする、スマートフォンでも簡単に操作できるようにするなどです。AIを使うことで、初心者でも直感的に使えるようなシステムを構築していこうとしています。
シンプルで使いやすいインターフェースを提供するために、AIが重要な役割を果たすと考えています。これにより、ゲームに慣れていないユーザーでもストレスなく利用できるようになるでしょう。
視点の切り替えなども、ゲームではスティックで行うことが一般的ですが、産業メタバースではそう簡単にいかないですよね。
今のゲーム世代の人たちは当たり前のように操作していますが、産業メタバースを利用する人たちには難しい場合もあります。より感覚的、直感的な操作にするための工夫が必要です。AIのサポートを活用して、初心者でも簡単に操作できるようにしていくことが重要です。これにより、産業メタバースでも幅広いユーザーがストレスなく利用できるようになるでしょう。
ゲームが軸にあるというのは、私たちの強みです。
楽しみながら操作できる直感的なインターフェースを提供し、ゲームの良さを活かした企業の課題解決としてPegasusWorldKitの進化を目指しています。
金川
今後のアップデートに目が離せませんね!ありがとうございました!!
おわりに
JPGAMES株式会社は単にゲーム開発だけでなく、メタバースや産業利用といった新たな領域にも積極的に挑戦しています。
前述した画像からメタバースを構築するリブテクノロジーも画期的です。この誰もが手軽にメタバース技術の産業利用ができるようになるという新しい可能性を切り拓いています。
JPGAMES株式会社の革新的なアプローチとビジョンは、これからも多くの人々にインスピレーションを与え続けることでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
メタバースの可能性を考える中で、2Dメタバース「ZEP」はシンプルで使いやすい選択肢として注目されています。
ZEPは、スマホやPCでアプリ不要、WEBブラウザだけですぐに使える手軽さが特長です。さらに、プロジェクトやイベントに合わせた空間カスタマイズや、参加者同士が自然に交流できる距離感ベースの音声・ビデオ機能も備わっています。
サービス概要資料を無料でダウンロードして、ZEPの活用方法をぜひチェックしてみてください。
>>サービス概要資料をダウンロードする